お知らせ

2021年11月09日

コラム

訪問診療でみることのできる疾患

通院が困難で、自宅で療養するにあたり医療的な支援が必要な方は、疾患を問わず原則的に訪問診療の対象です。

通院困難となる原因は様々で、基礎疾患も多岐にわたります。また、多くの方で複数の疾患を合併されている方も珍しくありません。

ご自身、またご家族様が「訪問診療の対象になるのか?」というお問い合わせを頂くこともありますので、ご参考までに当院で実際にお受けした事例をご紹介します。

 

基礎疾患の具体例

  • 悪性腫瘍:肺癌、胃癌、大腸癌、胆管癌、膵癌、卵巣癌、乳癌など、在宅緩和ケアを必要とするすべての癌。
  • 神経疾患:脳梗塞・脳出血後遺症、パーキンソン病・パーキンソン症候群、多系統萎縮症などのいわゆる神経難病。
  • 呼吸器疾患:肺気腫(COPD)、間質性肺炎、肺結核後遺症など。
  • 心血管疾患:慢性心不全、各種弁膜症、狭心症・心筋梗塞後など。
  • 消化器疾患:経口摂取困難(胃瘻・腸瘻造設状態・中心静脈栄養カテーテル留置状態)、肝硬変など。
  • 腎泌尿器疾患:慢性腎不全、尿道カテーテル留置状態など。
  • 整形外科疾患:脊髄損傷、胸椎腰椎圧迫骨折後、大腿骨頸部骨折後、脊柱管狭窄症など。
  • 自己免疫疾患:関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(SLE)、強皮症など。
  • 各種障害:小児麻痺、発達障害など

 

上記はこれまでの実績に基づく一例です。

原則として通院困難な状態であれば疾患を問わず訪問診療の対象となりますので、その他の疾患の方もまずはお気軽にお問い合わせください

 

皮膚科往診

当院では原則として内科主治医による定期訪問診療を行っていますが、皮膚科専門医による往診も行っています。

例えば褥瘡の処置、難治性・原因不明の湿疹、巻き爪の処置など、皮膚科的トラブルがあれば専門医が往診し診断・処方・処置を行うことが可能です。

 

基礎疾患の割合(令和3年10月末日現在)

令和3年10月末日現在、148名の方に訪問診療を行っており、通院困難の原因となった基礎疾患は下記の通りです。

訪問診療における疾患頻度

 

 

 

  1. 悪性腫瘍(癌末期)の方は、自宅での看取りを希望され最後の時に訪問診療を導入される方が大多数です。当然、訪問診療開始から看取りまでの訪問期間は短くなり、数日~1か月程度が多く、3カ月を超えるケースは稀です。令和3年10月末日という1点で見ると癌末期の方は少数ですが、常時数名の方に訪問診療をしています。
  2. 神経系は主として神経難病のみとし、脳梗塞などの脳血管障害は脳血管系として別に分類しています。
  3. 整形系が多くなっていますが、外来通院ができなくなった主たる理由が「圧迫骨折」「大腿骨骨折後」「脊柱管狭窄症」「廃用症候群」などの整形疾患ということです。もちろん骨粗鬆症の注射を行い治療している場合なども含みますが、主に治療を行っているのは高血圧や糖尿病などの内科疾患です。

 

 

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