2021年08月07日
コラム
【循環器コラム】むくみ(浮腫)
一般的なむくみの原因として腎臓病による低蛋白血症、心臓病や肝臓病による静脈圧の上昇、甲状腺機能低下症、下肢深部静脈血栓症や静脈瘤などです。薬剤(インスリン、ホルモン剤 抗うつ剤 抗がん剤など)による浮腫。リンパ管異常やリンパ節切除後のリンパ浮腫などが鑑別診断として挙げられます。
症状
腎臓病、心臓病、肝臓病、甲状腺機能低下症、薬剤によるむくみは両方の足に出現します。深部静脈血栓症、下肢静脈瘤、リンパ浮腫は片側性に起きるのが特徴です。
検査、診断
血液検査(腎機能、肝機能、甲状腺機能、BNPなど)胸部レントゲン、心電図、心エコー、下肢静脈エコー、CT検査などで原因疾患を調べる。
治療、予防
むくみの原因によって治療法は様々です。体内に水分貯留が原因であれば利尿薬使います。腎疾患や肝疾患で低蛋白血症になっている場合はまず原因疾患の治療をします。薬剤性ならば薬剤変更。下肢静脈血流うっ滞が原因と考えられる場合は運動リハビリやストレッチなどの下肢静脈血流増加や医療用弾性ストッキングなどでの圧迫療法も有効です。また予防法としては頻回の下肢挙上や就寝時に下肢のほうに座布団を入れたりすることでうっ滞予防しましょう。
当院でも上記検査を行っています。症状に気になる方はぜひ外来でご相談下さい。
文責 副院長 相良 耕一