2021年04月05日
コラム
【循環器コラム】心臓超音波検査(心エコー)ってどんな検査?
心臓超音波検査(心エコー)は心臓を輪切りして心臓の状態を見ることができる検査です。超音波という『音』を使って心臓を検査するので、放射線のように身体に害はなく、今現在の心臓を観察できるとても有用な検査です。
(産婦人科で赤ちゃんを見るのも超音波検査です)
心臓超音波検査(心エコー)で何がわかるの?
心臓は4つの小部屋があり、その4つの部屋を分けて逆流を防ぐために、
4つの弁(大動脈弁、僧帽弁、三尖弁、肺動脈弁)があります。
心エコーでは心臓の形態(大きさ 厚み 弁の状態)動き(ポンプ機能の状態)を知ることができます。これにより、心臓の状態を知ることができます。
弁の異常は弁膜症といい、心エコーはとても得意としています。
弁が硬くなり開きづらい状態の狭窄や、何らかの理由で逆流が認められる閉鎖不全 これらの診断においてはとても有用な検査です。
心臓の動きの異常は、虚血性心疾患(狭心症と心筋梗塞)や心筋症、心筋炎 など次の検査へステップの足掛かりになります。
狭心症は発作が起きているときは心臓の動きが低下するのでわかるのですが、発作が起きていない時には正常の動きをするのでエコーではわかりませんが、心筋梗塞は心筋の壊死を起こしているので、治療後の場合でも心臓の動きの低下を確認することができます。
先天性心疾患の心房中隔欠損や心室中隔欠損などの心臓に穴が空いているような短絡系疾患も得意としています。
また心臓のポンプ機能がうまくいっていない状態の心不全も知ることができます。ポンプ機能の低下により全身に鬱滞という血流がうまく回らない状態になり、脚が浮腫んだり、胸に水が溜まったりします
どういった時に心エコー検査するの?
胸に圧迫感や動悸などの違和感や、階段などで息切れが、脚の浮腫み、急激な体重増加も浮腫みによるものかもしれません。
これらの症状がある方は早めに医師に相談してください。
また糖尿病 脂質異常 高血圧など内服治療をしている方や指摘されたものの長期に放置されていた方は心臓に負担を敷いているかもしれませんので、こういった方も医師に相談してみてください。
心エコー検査はどこの病院でもできるの?
心エコーは検査する技師の技術と知識を有する検査であり、技師によってとても差があることがデメリットとして言われています。
当院では臨床を得意とする循環器専門の超音波検査士が検査をさせていただきます。
健診と臨床とは全く異なり、一度心臓の病気をした方を正常に当てはめることはできません。
健診は異常を見つける検査ですが、臨床は異常があることを前提に、心臓の状態やバランスを見ていきます。
心筋梗塞の既往歴があり心臓の動きが低下していても、心臓は拍出量を保とうとしてバランスを取っていきます、また心筋梗塞を起こした部位の動かないところに血栓が付着してしまう時があります。そういう異常がないが?拍出バランスは保たれているか?など知ることができる心エコー検査ではとても有用な検査になります。
もちろん健診も見ることはできますので、気軽に医師に相談ください。
文責 副院長 相良 耕一